電線サイズの呼び名と許容電流
ここでは、生産設備の電気制御でよく使う「KIV・VCT(F)」の電線サイズの呼び名と許容電流について、
まとめましたので、ご参考にして下さい。
「KIV」の電線サイズ呼び名と許容電流
電線サイズ SQ | 電線サイズ AWG | 許容電流値 |
---|---|---|
0.5 | AWG 20 | 4 A |
0.75 | AWG 18 | 7 A |
1.25 | AWG 16 | 16 A |
2.0 | AWG 14 | 22 A |
3.5 | AWG 12 | 33 A |
5.5 | AWG 10 | 44 A |
8.0 | AWG 8 | 57 A |
14 | AWG 6 | 83 A |
22 | AWG 4 | 115 A |
38 | AWG 2 | 166 A |
「VCT・VCTF」の電線サイズ呼び名と許容電流
VCT・VCTFは、多芯ケーブルとなり、何芯によるかでも許容電流値が変わる為、芯数によって記載しています。
VCTケーブル許容電流値
電線サイズ SQ | 芯数 4芯 | 芯数 6芯 |
---|---|---|
0.5 | — | — |
0.75 | 10 A | 8 A |
1.25 | 12 A | 10 A |
2.0 | 16 A | 14 A |
3.5 | 24 A | 21 A |
5.5 | 31 A | 28 A |
8.0 | 38 A |
VCTFケーブル許容電流値
電線サイズ SQ | 芯数 20芯 | 芯数 30芯 |
---|---|---|
0.5 | 4 A | 3.5 A |
0.75 | 5.2 A | 4.5 A |
1.25 | 7 A | 6.2 A |
2.0 | 9 A | 8 A |
3.5 | ||
5.5 | ||
8.0 |
制御盤で良く使用する電線種類
電気制御の設計を行う上で、電線サイズの選定は不可欠です。
とくに電線サイズ毎の許容電流値を間違うと、納入したあとで、火災の原因にもなり
生命にも関わることとなります。
電線の許容電流値は、参考としております。
電線の許容電流値は、使用する電線メーカーにもよりますので、正確な値は電線メーカーのホームページにてご確認下さい。
電線には、特別高圧から弱電まで、さまざまな種類の電線があります。
ここでは、電気制御で使用する主な弱電(200V以下)関係の電線を紹介します。
KIV(電気機器用ビニル絶縁電線)
2023年現在、ほとんどの制御盤ではこのKIVが用いられています。
KIVに近い電線として、IV線というものがあり、こちらの方が安価で一般住宅などの電気配線にはこちらが多く使われています。
では、なぜ制御盤には安価なIV線ではなく、KIV線が使われているのかというと、
電線の構成が、単線(IV)か、より線(KIV)の違いです。
IVは単線のため、針金のように曲げるとクセがつき、制御盤のような多数の線が混在する箇所には向きません。
その点、KIVの「K」とは、可とう性(柔軟性)を意味しており、より線(極細の多数の銅線がより集まった構成)
なので、制御盤のような比較的小さく、屈曲するような配線ルートの場合には、主にKIVを使用します。
生産設備の電気制御盤など、弱電関係のもは「KIV」を使用すれば、ほとんど問題ないです。
ただし、客先仕様や電流値が大きい場合などは、その都度検討する必要性がありますので、注意下さい。
VCTケーブルとVCTFケーブルの違い
電気制御には、制御盤外に敷設する電線ケーブルもあります。制御盤の外です。
制御盤の外には、ケーブル被覆の厚いケーブルを選定します。
その中でも、よく使われるものがVCTケーブルとVCTFケーブルになります。
VCTケーブル
- 通常、VCTは一般的な屋内電線として使用されます。
- 線材はビニル絶縁材を使用しており、通常の配線に適しています。
- 一般的には、比較的固い構造を持ち、屋内での配線に適しています。
- 使用電圧は一般的に600V以下です。
- 主にモーターなどの動力ケーブルに用いる。
VCTFケーブル
- VCTFは、より柔軟で屈曲性が高いフレキシブルな電線です。VCTFの「F」はフレキシブルの事。
- 線材もビニル絶縁材を使用していますが、素線が細く、撚り合わせが少ないため、柔軟性が向上しています。
- 屋内設備や動く部分、可動式機器など、曲がりやすい場所に適しています。
- VCTと比較して、VCTFはより広範囲な屈曲を可能にし、可動部分にも対応しています。
- 使用電圧は300V以下です。
- 主に制御信号のやりとりに用いる。
2023年現在、VCTもVCTFも比較的金額は変わらないため、特別の理由がない限りは、動力回路にはVCT。制御信号のやり取りにはVCTFを選定すれば無難かと考えます。しかし、客先によっては、外部配線仕様の決まりがありますので、選定は、十分に注意してください。
まとめ
今回は、生産設備などでよく使用する選定する電線の種類とサイズについて、記述しました。
電線の種類として、下記の電線用途さえ覚えておけば、一般的には問題ないと思います。
KIV:制御盤、操作盤
VCT:モーター等の動力機器と制御盤間の外部配線
VCTF:他設備などの制御盤と本設備の制御盤間との外部信号線